イクジィ

長野県松本エリアの子育て応援メディア

イクジィ特集記事

子どもの“好き・得意”を伸ばしたい! 教育心理学のプロに聞く子どものやる気に寄り添うコツ

子どもの“好き・得意”を伸ばしたい! 教育心理学のプロに聞く子どものやる気に寄り添うコツ

子どものやる気は、どんな関わりの中で育っていくのでしょうか。幼少期の体験が持つ意味と、親にできる関わり方を、教育心理学を研究する専門家に教えていただきました。【2026年3月号「春のおけいこ特集」掲載】

 「幼少期は、子どもの興味や関心の“種”をまく大切な時期です」。
そう語るのは、信州大学で教育心理学・発達心理学を専門に研究する横嶋敬行先生。
子どもの非認知能力に着目し、成長や発達、心の健康を支える心理学研究を行っています。
先生は、こう続けます。

幼少期の質の高い体験が子どもの将来につながっていく

 「どんな才能が伸びるか、将来どんな道を選ぶかは、幼少期の時点では誰にも分かりません。だからこそ、この時期は習いごとに限らず、さまざまな体験に挑戦すること自体が大切。そこで得た経験が、いつか子ども自身が“なりたい自分”を見つけたときのエネルギーになっていきます。

 特に4〜6歳ごろは、体験や活動を通して、主体性や自立性、自己肯定感、感情の調整力といった“非認知能力の基盤”を育てる大切な時期です。ただし、体験をすればそのような基盤が自然に身につくわけではなく、どのような関わりの中で、どんな気持ちで取り組んだかという“体験の質”が重要なんですよ」

 幼少期の体験の意味を強調し、横嶋先生はさらに次のように話します。

 「まずは、“チャレンジする”ことが第一歩です。踏み出した後で、うまくいかなかったり、挫折などの苦しい経験があったとしても、それを乗り越えるプロセスこそが、さらなる成長につながっていきます。大切なのは、“失敗させない”ことではありません。失敗できるうちに失敗し、その経験を力に変えていくことが、子どもの将来の大きな財産になるのです」

努力や工夫を認めることが挑戦し続けられる力を育てる

 幼少期の体験や習いごとを考えるとき、多くの親が気になるのが、子どものやる気や、続けられるかどうか。
その向き合い方について、ヒントを伺いました。

 「子どもが前向きな気持ちで続けられるように、親ができることとして“日頃の関わり”と“迷ったときの関わり”があります。つまり、続ける気持ちを支えていく日々の関わりと、子どもの『やめたい』と迷う気持ちに寄り添う関わりの、両方が大切になります。

 まず日々の関わりですが、普段から『楽しかったね』『ここができるようになったね』と、活動の中で感じた喜びや成長を言葉にして共有することが、やる気を支える土台になります。幼児期は自分の感情をうまく言葉にできないため、親がその気持ちを言語化してあげて、ポジティブな感情を一緒に味わうことが大切です。親が一緒に喜んでくれたという経験が、いざ『やめたい』と思ったときにも、気持ちを立て直す支えになるんですよ」

 一方で、子どもが「やめたい」と感じたときの関わりにも、注意が必要と言います。

 「強く嫌がっているのに、無理に続けさせることは、『言ったけれど、認めてもらえなかった』という無力感につながることもあります。まずは子どもの気持ちを受けとめ、またやりたくなったときに、再チャレンジできる余地を残すことも、主体性を育てる大切な関わりです」

 そして何よりも大切なのは、周りと比べないこと。

 「その子自身の努力や工夫、成長を認めて褒めることが、挑戦し続ける力につながります。子育てに理論的な正解はありません。その子に合ったものが、その子にとっての正解です。私自身も迷いながら子育てをしています。理想にとらわれすぎず、参考程度にしながら、目の前のお子さんの小さな成長を見つけてあげていただければ」

 少し肩の力を抜きながら、親子で一緒に“今”を楽しむこと
その積み重ねが、お子さんにとっても何よりの“やる気”につながっていくのかもしれません。

横嶋敬行

横嶋敬行先生

  • 信州大学 助教

信州大学「こころとそだちの心理学研究室」で、子どもたちの心と育ちを科学的に探求している。2児のパパ。

LINEお友達会員募集中!

LINEお友達登録で最新情報をいち早くゲット!

投稿機能であなたもイクジィに参加できる!

QRコードをスマホで読み取って友達登録!