【のびのびトイロ】vol.21 言葉のやりとりがなかなか広がりません。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」では、子育て中の不安や悩みごとを信州大学医学部「子どものこころ発達医学教室」の先生方が答えるQ&Aコーナーを配信中。その中からピックアップした内容を転載して紹介します。【2026年3月号掲載】
お悩み 言葉のやりとりがなかなか広がりません。
子どもの言葉の遅れに悩んでいます。もともと、まわりの子どもたちよりも発語が遅かったのですが、その後も言葉のやりとりがなかなか広がっていきません。
いろいろな人から「言葉がけをしたほうがいい」と言われるので、積極的に話しかけています。でも、いまのところ、効果が出ていません。言葉がけ以外に、なにかできることはあるのでしょうか。
小児科医の清水亜矢子先生がアンサー!
言葉はさまざまなやりとりを通じて育ちます。
子どもは、言葉を発していなくても、言葉を少しずつ聞いて、理解していっています。子どもには、胎児期から母親の話す言葉が聞こえているといいます。そして
生まれてからは、まわりの人の言葉がけを聞いて、言葉を理解し、発するようになっていきます。
言葉というものは、そのように、子どもとまわりの人の相互の関わりのなかで育まれていくものです。 そして、 その発達には個人差があります。 言語の発達や知的な発達がゆっくり進んでいるというケースもありますが、なかにはコミュニケーションをとるモチベーションがまだ弱いという子もいます。
発語だけにこだわらず、 子どもとの相互交流を全体的に見ていく視点が重要です。 言葉がけだけでなく、 言葉以外の表情やジェスチャーなども使って、 子どもとさまざまな形で相互交流していきましょう。
日常生活のなかで、相互交流を心がけましょう。
子どもが声をあげたときに反応したり、真似をしたりすると、いい相互交流になります。生活のなかで、そのようなやりとりを心がけましょう。
子どもは、興味のあるものについては、 理解したい、伝えたいという気持ちが強くなるものです。例えば、子どもが車を見て「っま」と言っているときに「くるま、だね」と答えると、それが言葉の理解につながることもあります。
見て理解する力が強い子の場合には、言葉がけよりも、写真や実物を見せてやりとりをしたほうが、コミュニケーションへの意欲が育ちやすいということもあるでしょう。「バイバイ」「ねんね」など、日頃よく使う言葉に、表情やジェスチャーをセットするのもいいですね。子どもが言葉を理解しやすくなります。親の話す言葉やジェスチャーを手本として、子どもが真似をするようになることもあります。
健診などで、専門家への相談をすすめられたら。
相互交流を心がけていても、言葉がなかなか育たず、乳幼児健診などで専門家への相談をすすめられる場合もあります。その場合には念のため、子どもの様子を専門家にくわしく伝えてみましょう。
聴こえの問題がある場合など、専門的な対応が必要になるケースもあります。相談してどのような背景があるのかがわかれば、悶々とせずに成長を見守れるようになり、また、適切な対応をとれるようにもなります。相談してみてください。
のびのびトイロ(アプリ)
個性に合わせた多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」では、みなさんから寄せられた不安や悩みごとについて、
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室の専門医の先生方中心にお答えしているQ&Aコーナーを配信中。
赤ちゃんから思春期までのお悩みに対応。