【のびのびトイロ】vol.23 子どもが出先で知らない人に話しかけてしまいます。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」では、子育て中の不安や悩みごとを信州大学医学部「子どものこころ発達医学教室」の先生方が答えるQ&Aコーナーを配信中。その中からピックアップした内容を転載して紹介します。【2026年5月号掲載】
お悩み「子どもが出先で知らない人に話しかけてしまいます。」
買い物などに行ったとき、子どもが出先で知らない人にすぐに話しかけてしまいます。相手をしてくれる人もいますが、迷惑そうにする人もいます。まだ小さいので、ひどく怒られたりしたことはありません。しかし、そのうちトラブルになるのでは、と感じています。急に手を振ったり、駆け寄っていったりすることもあり、そんなときは相手を驚かせてしまいます。トラブルを防ぐために、できることはありますか?
精神科専門医の樋端佑樹先生がアンサー!
積極的に、世界を知ろうとしているのでしょう。
幼少期は、子どもが世界を知ろうとしている時期です。まだ幼い頃には、子どもは誰にでも気軽に話しかけたり、手を振ったりすることがあります。そうやって、世の中を知ろうとしているわけです。それは誰に対しても信頼感を持っているということでもあり、微笑ましい行動とも言えます。
その頃は、相手に多少迷惑をかけても「かわいいね」と言われ、許してもらえることが多いでしょう。それは、子どもと大人が対等な関係ではないからです。まだ幼い子どもは、いろいろなことがわかっていないから、経験豊富な大人に許されているわけです。
子どもがある程度大きくなってくると、同じことをしても許されず、叱られる場面も増えてくると思います。
また、同年代の子どもとは関係が対等なので、いきなり話しかけても優しく対応してもらえず、本人が嫌な気持ちになることもあるかもしれません。そのような経験を繰り返すことで、「大人にはすぐに話しかけるけど、同年代の子には話しかけない」という行動パターンになっていく子もいます。
積極的にコミュニケーションをとろうとするのはいいことなので、その積極性を大事にしながら、少しずつ、場面に合った振る舞い方も教えていきましょう。
「距離のとり方」を図で説明する方法があります。
子どもが「誰にでも気軽に近寄り、相手の事情に関係なく話しかけてしまう」という場合には、「距離のとり方」と「相手の気持ちの理解」を教えていくのがいいと思います。
「距離のとり方」から説明していきます。
大人は、相手に合わせて「距離のとり方」を変えています。親しい家族とは近い距離で話しますが、知らない人に気軽に近づいたりはしません。そのことを、子どもにもわかりやすい形で伝えていきましょう。
例えば、同心円状に4つの円を書いて説明する方法があります。中心の一番小さな円の中に「子ども」と「家族」を書きます。その周囲の円には「先生や友達」、その次には「顔見知りの人」、一番外側の円に「知らない人」を書きます。そして、図を見せながら子どもに「家族と話すとき」「知らない人と話すとき」の具体的な距離感や話しかけ方などを教えていくのです。
相手に合わせて距離のとり方を変えることが、子どもにも具体的に理解できます。イラストや写真を使うと、よりわかりやすくなります。
「相手の気持ちの理解」も少しずつ教えていきましょう。
「相手の気持ちの理解」は難しいので、あれもこれも教えようとすると、子どもにはわかりにくくなってしまいます。あまり欲張らずに、具体的なルールを一つずつ、ゆっくり教えていくようにしましょう。
例えば、相手から「やめて」と言われたら必ずストップする、というルールを決めて、子どもに伝えます。「気軽に話しかけるのはいいけれど、ルールは守る」という形にすることで、トラブルを減らしていくわけです。同年代の子どもによく話しかけているという場合には、そのようなルール設定が比較的有効です。
一方で、子どもが「距離のとり方」や「相手の気持ちの理解」をまだうまく身につけられない場合には、トラブルが起こりそうな場面を避けることも大切です。話しかけるとトラブルになる相手がいるのなら、その相手と距離をとれるように、大人が配慮しましょう。
トラブルを防ぎながら、安心できる環境で少しずつ「距離のとり方」や「相手の気持ちの理解」を学んでいけるといいですね。
のびのびトイロ(アプリ)
個性に合わせた多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」では、みなさんから寄せられた不安や悩みごとについて、
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