【子どもとクラフト】vol.1・丸嘉小坂漆器店のめんぱ

子どもと一緒に使いたい手仕事を紹介する本誌連載「子どもとクラフト」。第一回目は、木曽漆器の礎を築いた「めんぱ」をご紹介します。
木曽漆器の原点に触れる、小ぶりで美しいお弁当箱。
安土桃山時代、大阪城などの築城を機に重要建築物の建材として重宝されてきた木曽檜。江戸時代になると、尾張藩が資源を守るため、木曽谷の天然木伐採を禁じる御触れを出すほど貴重な存在になりました。木工を家業としていた人たちは、木を無駄にしない加工技術を探求。それが木を薄く割き曲げて形成する「めんぱ」で、この工芸が木曽漆器のを築きました。
〈丸嘉小坂漆器店〉の3代目・小坂玲央さんは、木曽の地でめんぱの作り手が減っていることに危機感を覚え、文化を繋ぎ始めた一人。木曽産の檜とサワラを使用し、木地に生漆を何度も刷り込み拭きあげて作られるめんぱは、漆塗装されることで油汚れに強くなり、漆の抗菌作用も期待できるとあってお弁当箱に最適。
お手入れが簡単というのも、日常使いしたくなる理由。木曽のめんぱには、機能美と伝統が詰まっているのです。

ころんとかわいい丸型と、使い勝手の良い楕円型のめんぱ。子どもにちょうどいい小ぶりなサイズから揃うので、サイズ違いを親子で使うのもおすすめ。〈丸嘉小坂漆器〉のオンラインストアで販売。手前・めんぱ 丸 小(直径12㎝) 7700円、奥・めんぱ 楕円 小(横18㎝) 9900円。
丸嘉小坂漆器店

- 所在地
- 長野県塩尻市木曽平沢1817-1
- 電話番号
- 0264(34)2245
- 営業時間
- 9:00〜17:00(土 10:00〜、日・祝 10:00〜16:00)
- 定休日
- 日・祝日臨時休業あり
- URL
- https://maruyoshi-kosaka.jp
木曽平沢で1945年に創業。漆と木のものづくりに取り組み、木曽の文化を次世代に広める活動も行う。ショールームを兼ねたカフェをオープン予定。
photo:Sayuri Abe