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【WEBクリニック】思い通りにならないと、額をゴンゴンぶつけます。

【WEBクリニック】思い通りにならないと、額をゴンゴンぶつけます。

イクジィ読者さんから届いたお悩みを、小児科の先生に答えてもらう「WEBクリニック」。今回は、癇癪を起こしたときの対処法を聞きました。【2021年11月号掲載】

1歳7ヵ月の女の子ですが、上の子とケンカしたときなど、自分の思い通りにならないと、床など硬いところに自分から額をゴンゴンぶつけます。ベッドにいるときは柔らかいので、わざわざ降りて床にぶつけることもありました。ほかにも、思いっきりひっくり返って後頭部をぶつけたりもします。額は、たんこぶのように膨らんで、あざになっています。どうしたらいいでしょうか? 何か原因があるのでしょうか? 松本市/匿名

娘さんの行動はいわゆる癇癪(かんしゃく)というものと思われます。

癇癪は、たとえば自分の気持ちや要求を言葉で上手く表現できない子どもが、自分の要求をえるためにとる行動の一つです。その行動がにがるような場合には、抱っこして安全な場所へ移動させるなどして防ぐことが大切です。お家なら、落ち着けるような部屋へ連れて行って、お母さんと2人きりで落ち着くまで待ちましょう。

もし、娘さんが自分の要求を通すために癇癪を起している時には、その要求は通さないことをお薦めします。怒って頭を打ち付けることを止めさせるためにその要求を通してしまうと、娘さんはその後も自分の要求を通す手段として癇癪を起すようになってしまうからです。

要求が通らない→癇癪を起す→要求が通る

このパターンを学習してしまうと、その後はより早く要求を通すために、癇癪がエスカレートする危険性があります。
上のお子さんとのケンカの際にも、明らかに娘さんが悪い時には、娘さんの前で、癇癪を起させたことについて上のお子さんを叱らないようにしましょう。

娘さんが癇癪を起さずに済んだり、癇癪を起しても早めに治まったりした時には「よくできたね」と褒めてください。ポイントは、癇癪を起してもメリットはなく、癇癪を起さないことでメリットがあるということを、娘さんに理解してもらうことです。少し難しく言うと、問題行動には反応せず(ただし安全は確保)、問題行動をしなかったことを褒める(報酬=いい刺激を与える)ということです。

毎日のことですし、かなり根気とエネルギーが必要になると思いますが、もしよければ試してみてください。

宮林 麻里先生

小児科医師 みやばやしこどもクリニック 院長

一般小児科のほかに、発育・発達相談や心身症にも心血を注がれる。松本市在住、お子さん3 人のママ。趣味はバドミントンと料理。
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