【のびのびトイロ】vol.10 「場所見知り」が強くて、園生活が心配です。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」では、子育て中の不安や悩みごとを信州大学医学部「子どものこころ発達医学教室」の先生方が答えるQ&Aコーナーを配信中。その中からピックアップした内容を転載して紹介します。【2025年4月号掲載】
お悩み「 場所見知り」が強くて、園生活が心配です。
「場所見知り」が強くて困っています。慣れていない場所、初めて行く場所では、親にしがみついて離れません。「行っておいで」と言って一人にさせると、泣きわめいて嫌がります。もうすぐ園生活が始まるのですが、園の説明会に連れていったときにも怖がって泣きやみませんでした。ほかの子は初めての場所でもかけまわって遊んでいたのですが…。どうすれば、場所に早く慣れていけるのでしょうか。
小児科専門医の新美妙美先生がアンサー!
「場所見知り」は記憶力が育った結果でもあります。
「場所見知り」は記憶力などが育ってきて、安心できる場所とそうではない場所を見分けられるようになったことの表れでもあります。個人差がありますが、1歳〜2歳ごろにはよく見られることです。そのころの一定期間、軽めの「場所見知り」があるくらいなら、それほど気にしなくてもいいと思います。ただ、泣き方や怖がり方が激しくて、園などでほとんど活動ができない状態では、今後の集団生活が心配になってしまうこともあるでしょう。
その場合には子どもがどんなことに不安や緊張を感じているのかを見ながら、対応を調整していくことをおすすめします。
慣れるのに時間がかかる子、環境に刺激を受けやすい子がいます。
「場所見知り」には、場所になじむまでに時間がかかる場合と、「人が多い」「空間が広い」「騒がしい」「光やにおいなどの刺激が強い」といった未知の環境に刺激を受けやすく、不安を感じやすい場合があります。その両方が重なっていることもあります。
なじむまでに時間がかかる場合には、そういうタイプの子どもだと理解して、新しいことを始めるときには慣らす時間をしっかりとるようにしましょう。「短時間」「少人数」から試していくことをおすすめします。例えば「最初は見学だけ」「人が少ない時間に、先生に会ってみる」といった形で慣れていきます。子どもがその場所を「安全で楽しいところ」だと感じられるように、じっくり対応していきましょう。
活動内容を事前に伝えて、見通しが持てるようにすることも有効です。入園の場合であれば、「春になったら幼稚園に毎日行くんだよ」「朝、ママとバイバイして、お昼ごはんを食べてお昼寝したら、ママが迎えに行くよ」というように、具体的な見通しを伝えます。文字や絵、カレンダーなども使って、その子にとってわかりやすい方法で伝えましょう。
園の先生にも相談しながら対応していきましょう。
環境に刺激を受けやすいタイプの場合には、強い刺激を避けるようにしたいところです。
例えばお店に連れていくときに、BGMがうるさくないところ、人の出入りが少ない時間などを選べる場合には、そのような選択をしましょう。
園生活では時間などを選べない場合が多いため、先生と相談しながら対応を検討していきます。子どもがどのような刺激に不安を感じるのかを確認しながら、個別に対応していきましょう。イヤーマフなどを使って刺激をやわらげると、安心できる子もいます。そのような道具の利用を相談するのもいいかもしれません。
また、地域の親子教室で集団生活に慣れること、市区町村の発達相談に相談してみることも、園生活の不安をやわらげる方法の一つです。
のびのびトイロさん
個性に合わせた多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」では、みなさんから寄せられた不安や悩みごとについて、
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室の専門医の先生方中心にお答えしているQ&Aコーナーを配信中。
赤ちゃんから思春期までのお悩みに対応。