【子育ての「NGワード」、それを「OK」に変える逆転メソッド】vol.8「ちゃんとやってね」
子どものためを思って言った言葉でも、その子の心に響くとは限りません。かえって反発したり、自信や意欲を下げてしまうことがあります。せっかく子どもを大事に思って言葉をかけるのなら、その子にとってプラスになるようなやり方にしたいですよね。
そこでこの連載記事では、子どもの発達にくわしい医師たちが子育ての「NGワード」と、それを「OK」に変えるためのポイントをお伝えしていきます。
第8回NGワード
「ちゃんとやってね」
「ちゃんと」は曖昧な言い方
子どもが宿題や片付けなどを始めないときや、しゃべりながらやっているときに、大人はよく「ちゃんとやってね」と言います。
でも、大人にはちゃんとやっていないように見えても、本人はちゃんと取り組んでいるつもりということもあります。「ちゃんと」というのは曖昧な言い方で、人それぞれに違うイメージを持ちやすい言葉なのです。
もしも子どもが自分なりに頑張っているときに、大人から「ちゃんとやってね」と言われたら、「ちゃんとやっているのに」と思って憤ったり、悲しくなったりするでしょう。
具体的・視覚的に伝えるほうがいい
子どもに「ちゃんとやってね」と言いたいときには、「ちゃんと」というのが具体的にはどういうことを指すのか、言語化してみてください。
・「ちゃんと」→「早く」
作業の進み具合が遅くて「早くやってほしい」と思っているのなら、具体的に「何分までに」と伝えるといいでしょう。スケジュールを視覚的に示すのもいいと思います。ただ、大抵は「早く」と伝えるだけでは、早くやるようになりません。早く進めるための方法を提案するほうが、より確実です。
・「ちゃんと」→「集中して」
子どもがしゃべりながら作業をしているときには「集中して」「まじめに」と言いたくなるかもしれませんが、急かすような言い方は控えましょう。しゃべっていても作業がそれなりに進んでいる場合もあります。多少遅れ気味でも手が止まっていないなら、その子なりのペースを尊重してもいいのではないでしょうか。あとは「黙ってやろうね」と提案してみるのもいいかもしれません。発言が減って、集中しやすくなる可能性もあります。
一緒に作業して、手本を見せるのもいい
・「ちゃんと」→「きれいに」
子どもの作業が雑で、もう少しきれいにやってほしいという場合に、「きれいに」「丁寧に」と伝えても、子どもにはその程度がわかりにくいかもしれません。大人が一緒に作業を進めながら手本を見せたり、体裁の整え方を教えたりするといいでしょう。
なかには作業を調整するのが苦手な子もいます。「早く」「黙って」「きれいに」と声をかけても、あまり変わらない可能性もあります。その場合も、感情的になって怒ったりせずに、適切なやり方を具体的に提案してみてください。言い方を変えるというよりは、手助けもしながら、子どもが作業を完了できるようにサポートしていきましょう。