WEBクリニック

残念ながら、この症状があったらインフルエンザだというように、素人でもインフルエンザかどうか見極める簡単なポイントはありません。同じインフルエンザでも、一見普通の風邪のようにとても元気なお子さんもいれば、とても重症観のあるお子さんもいます。

また、鼻に綿棒を入れて検査するインフルエンザの抗原検査は、迅速にその場で結果が出るという利点がある反面、ある程度のウイルス量がないと陽性に出ないという欠点もあります。38℃以上の熱が出た直後はまだ喉や鼻にウイルスが増殖し始めたばかりで、十分な反応が出にくくなっています。そのため、発熱してすぐ慌ててお医者さんに行き、お願いして検査してもらって陰性、でも結局安心できないので翌日再度検査ということになり（痛い検査なので）、お子さんの負担が大きくなります。

ですから小児科医の多くの先生方は、発熱直後に受診したお子さんに対して、特に身近に感染者がいなければ翌日検査をお薦めしています。だいたい半日～１日後にはウイルス量が増えて検出しやすくなるので、たとえそのとき高熱でなくてもインフルエンザであれば陽性に出るからです。

インフルエンザが発症して夜38℃以上の熱が出ても、翌朝には一時的に36℃台になることがあります。夜急に発熱しても、ひきつけや異常行動、頻回に吐くなどの重い症状がなければ解熱剤やクーリングで対応してあげて、翌朝いったん体温が下がって楽な状態の午前中にかかりつけ医を受診して検査してもらうことが、お子さんにとっても痛い検査が１回で済んで検査結果の信頼性もあるので良いのではないかと思います。

できればインフルエンザワクチンを流行期の前に２回接種しておくと、焦って受診せずに済むでしょう。