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夜中に起きて、泣いたり駆け出したりします(怖)

【掲載】

4歳の男の子です。今まで夜泣きはあまりしたことがないのですが、最近、1ヵ月に2、3回、夜中に泣いて起きるのです。眠ってから、あまり経たないころ、そわそわと体を動かしたかと思うと、起き上がって顔を手で覆い、怯えたように泣き出すのです。見ているこちらも怖くなるくらいです。体は汗でびっしょりで、目を開けているのにどこを見ているのか分からない感じ。また、玄関の方へ駆けて行ったり…。話しかけても反応がなく、しばらくすると、何事もなかったかのように眠ってしまいます。どこかに異常があるのかな?と、とても心配です。

(松本市/夢眠)

就寝から翌朝までの間、人間の眠りは周期的に浅くなったり深くなったりしていて、眠りの浅いときに寝言を言ったり寝ぼけたりすることが分かっています。子どもだけでなく大人にもみられ、その内容や話し方はさまざまで、中にはまるで目覚めているかのように起き上がって相手の目を見て普通に会話したり、歩き回ったりすることもあるようですが、本人にその間の記憶はありません。

特に子どもは、日中の活動で感動したり、興奮したり、怖い目に遭ったりという、感情を揺さぶられるような緊張状態があると、眠りが浅くなって寝言や寝ぼけが出やすくなるようです。

4歳ということは、もしかしてお子さんは今年から幼稚園か保育園に行き始めた、あるいは年中さんでクラス替えがあったということはないでしょうか?

幼稚園・保育園は楽しいところでもありますが、人間関係を考えると、子どもだけの世界は結構シビアな面もあります。特に1年目は初めての体験が多く、その中でちょっと怖い思いや悔しい思いをしたり、でもそれを我慢しなくてはいけなかったりということを1人で乗り越えなくてはなりません。さらに4歳くらいの幼児は、自分の気持ちを言葉で上手に伝えることがまだ十分にはできません。だから、その場で解決できずに心に仕舞って帰ってきた思いや不安が、浅い眠りのときに寝言や寝ぼけといった形で出てきてしまうことがあります。

お子さんが泣いた日やその前数日間に、何か変わったことがなかったか、思い出してください。

ただ、「何かつらいことがあったの?」とネガティブな表現で聞き出そうとすると、かえってお子さんを不安にさせるので、日頃からお子さんのお話に耳を傾けて、リラックスできる環境で「今日は楽しかった?」などと声かけをして、お子さんから話してくれるのを待ちましょう。もし嫌だったことを話してくれたら、「そうか。大変だったね。よく頑張ったね。話してくれてありがとう」と言ってあげましょう。

基本的に寝言や寝ぼけには病的な意味合いはあまりありませんが、泣き叫んだり暴れたり歩き出したりという行動を伴うと夜驚症と診断され、転落・転倒による怪我の危険性がある場合には治療の対象となることもありますので、かかりつけの小児科医にご相談ください。