WEBクリニック

敏感でこだわりがある子どものことが気になっています

【2019年10月号掲載】

わが子が4月から年少になりました。毎朝園に送るときに号泣してしまい、親からなかなか離れません。また、園でも家でも、絵や本の大きな音、虫、おばけが怖いようで、泣いてしまいます。服や持ち物にこだわりがあります。また、服がチクチクしたり、タグが当たると嫌がります。言葉を話すことは好きなようで、話も通じていると思います。いまだに夜泣きもします。これらのことが気になり、発達に関する本を読みました。そんなとき、「HSC=ひといちばい敏感な子」(著:明橋大二さん)という本に出会いました。その本のチェックリストを行った結果、すべての項目に当てはまりました。HSC疑いに限らず、何か発達に気になることがある場合、一度病院で診てもらった方が良いのでしょうか? もし、診てもらう場合は、どちらの病院に行けば良いのでしょうか? 匿住所/匿名

年少ということは、お子さんは今3歳か4歳なので、3歳児健診はすでに受けられていると思いますが、健診で保健師や医師から発達に関して何か指摘はありましたでしょうか。

こだわりや敏感さというのはその人の特性に属するもので、それ自体は病気(=治療で治るもの)ではありません。

ただ、その特性が日常生活に支障をきたしてしまう程度のものである場合には、日常生活ができるように対処していくことが必要です。具体的には、小さいうちは周囲が配慮して環境調整をしつつ、成長したら本人にもその特性を自覚してもらって、その特性との付き合い方を学ぶのを援助していくのです。

お子さんの場合は、ご質問の文章を読む限り、別れ難かったり、怖くて泣いたり、夜泣きしたりしながらも、日々頑張って通園を続けていらっしゃるようですね。まずはそのことを直接お子さんに、言葉にして褒めてあげてください。「(あんなに大変そうなのに)よく頑張って行ってきたね」と。

それから、担任の保育士に、お子さんが得意なことや楽しめていることは何か聞いてみてください。きっと何かしらはあると思います。頑張っていることを認めてもらうことで自信がつき、「僕は、私は、大丈夫!」という気持ちになれば、行動が少し変わってくるかもしれません。

周囲の人に苦手なものを見つけて取り除いてもらうだけでなく、成長に合わせてお子さん自身がそれをうまく避ける方法を身につけていくことも大切です。

医療機関への受診については、

◆健診で発達面での問題が指摘された

◆お友達と遊べないなど園生活に支障があって保育士や保健師から受診を勧められている

あるいは

◆お子さん自身が困っている

などといったことがあれば、それを相談するという形で受診されるのがよいと思います。

受診先ですが、小さいころからかかりつけとして診てもらっている小児科医がいれば、まずそこへ相談して、そこから必要に応じて適切な医療機関へ紹介してもらってください。