何かしらの感染症を園からもらってきそうで不安
【2021年5月号掲載】
この4月、こども園へ入園する年少の娘がいるのですが、新しく集団生活が始まるときに気になるのが、感染症です。保育園や幼稚園で何かしら菌をもらってくる…との話を耳にしますが、これからの時期、子どもたちの間ではどんな感染症がりやすいのでしょうか? 感染しないための対策は感染症の種類によっても違うのでしょうか? 何か気を付けられることはありますか? 松本市/きゃりおん
もし娘さんが一人目のお子さんであれば、初めての集団保育への参加は何かと心配なことが多いと思います。
集団保育で避けて通れないのが感染症です。特に第1子のお子さんの場合には、就園までほとんど感染リスクのない環境で育っていますので、おそらく登園を開始すると間もなく、お家にはいなかった様々な細菌やウイルスにされることになると思います。鼻水、鼻づまりや咳、発熱、、下痢など、病原体によって様々な症状が出ます。
大変残念ですが、園生活において「絶対に感染しない対策」というものはないと思ってください。でも感染の機会を減らす対策はできます。それが、昨年の新型コロナウイルス感染症流行をきっかけに全国的に周知された、手洗い、うがい、体調管理などです。
マスクに関しては、2歳以下の乳幼児は窒息の危険性があることと、乳幼児の保育活動は体の接触をなくすことが困難であること、小児の感染経路は主に同居家族からで園内での集団感染はほとんどなかったことなどから、現時点で市内の保育園や幼稚園では外しているところが多いです。しかし、変異株の流行が拡大しつつあり、その特性から年少以上のお子さんのマスク着用に関しては、今後流動的になる可能性があります。
一番大切なことは日頃の体調管理で、その基本は早寝(遅くても21時には寝る)、早起きして朝ごはんをしっかり食べることです。お家で自由にゆっくり過ごしていたお子さんが園での集団生活に慣れるまでの数か月間は、たとえ楽しそうにしていても、張り切っていても、心身共に疲れていると思ってください。少なくともGWを挟んで5月末までは、日曜日はあまり出歩かないでお家でゆっくり過ごして体を休め、翌日からの園生活に備えましょう。
それから、集団生活で風邪などの感染症にすることは、子どもが感染症への抵抗力をつける上では必要悪的な側面を持っています。大人になるまでにある程度感染症に罹患することで、体が記憶してかかりにくくなっていきます。
親がやるべきことは、わが子が感染症に「絶対にかからないようにすること」ではなく、「かかりにくい生活様式を身につけること」と「もしかかっても重症化しないように体力を養い、医療機関に早めに受診すること」です。
最後に誤解のないようにお話しておきますが、感染症にかかった方がいいという訳ではありませんので、感染しているお子さんのところにあえてもらいにいくようなことは決してしないでください。ワクチンで防ぐことができる感染症に関しては、きちんとワクチンを接種させてください。