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花粉が少ない時期でも鼻炎がひどくなることが…

【2022年4月号掲載】

4歳の息子はアレルギー性鼻炎で通年服薬しています。しかし、調子が良いとき、悪いときの波があります(主に就寝中のいびきが変化します)。花粉などの影響もあるとは思いますが、花粉が少ないような時期にもひどくなることがあります。服薬中ですので、「いびきがひどくなる」といった軽い症状に、受診の必要性を強くは感じず…。家でできる鼻づまり、いびきの対処法などがあれば知りたいです。安曇野市/なぎちゅう

アレルギー性鼻炎の原因は花粉だけでなく、ハウスダストやダニなどが原因の場合があります。実際、「花粉症」だと思っていたお子さんが、検査してみると花粉には全く反応がなく、ハウスダストとダニに非常に強い反応が出ていたというケースを経験上少なからずお見受けします。花粉の飛散時期と症状の悪化が一致しない場合、右記のような粉塵系や気温差に反応して起こっている可能性があります。

受診するか否かの基準は、お子さんが夜「よく眠れている」かどうかだと思います。「よく眠れている」というのは言い換えると「深い眠り」が得られているかということです。子どもの体の発育には、夜、たっぷりぐっすり深く眠ることが非常に大切です。成長を促す成長ホルモンは、夜深い睡眠に入ってから2〜3時間の間に脳下垂体から分泌されるのですが、就寝の時刻が21時以降だったり、眠りが浅かったりすると分泌量が減少します。良い睡眠は脳の発育や発達を促すためにもとても重要だと言われています。

いびきをかきながらの眠りは浅い眠りになりますし、いびきをかいた後に10秒以上呼吸が止まるようなことが夜間数回あれば、「睡眠時無呼吸症候群」が疑われます。睡眠不足の症状は大人とは逆で、イライラしたり落ち着きがなくなったりすることが多く、睡眠時無呼吸症候群のお子さんがADHDと誤診されていたケースもあるくらいです。

まずは、お子さんのいびきがひどくなったら呼吸停止が伴っていないか等、よく観察してみてください。寝ている様子を動画撮影してかかりつけの先生にお見せして相談することもお薦めします。子どもの場合、たかが「いびき」ではないのです。中高年の方々の「いびき」とは訳が違います。

これからの季節、松本市は花粉だけでなく黄砂等の粉塵や乾燥がひどくなります。朝、山並みが白くかすんでいたり、風が強く西の方に茶色の砂埃が見えていたりする日は、洗濯物は部屋干しがいいと思います。外出時は布やウレタンではなく、不織布のマスクを付けましょう。寝室の加湿にも気を配ってあげてください。