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子育てのNGワード

【子育ての「NGワード」、それを「OK」に変える逆転メソッド】vol.4「それくらい自分で考えなさい」

【子育ての「NGワード」、それを「OK」に変える逆転メソッド】vol.4「それくらい自分で考えなさい」

子どものためを思って言った言葉でも、その子の心に響くとは限りません。かえって反発したり、自信や意欲を下げてしまうことがあります。せっかく子どもを大事に思って言葉をかけるのなら、その子にとってプラスになるようなやり方にしたいですよね。
そこでこの連載記事では、子どもの発達にくわしい医師たちが子育ての「NGワード」と、それを「OK」に変えるためのポイントをお伝えしていきます。

第4回NGワード
それくらい自分で考えなさい

突き放していると、くじけやすくなる

 子どもがよく忘れ物をしたり、遅刻をしたりしている場合に、親や先生が「これも経験のうち」「失敗から学べることも多い」と考えて、手を貸さずに様子を見ていることがあります。そういう大人は、子どもに「それくらい自分で考えなさい」と言って、本人が自分の力で克服するのを待っていたりします。

 しかしそうやって子どもを突き放し、失敗を数多く経験させると、子どもは自信や意欲を失いやすくなります。大人としては「社会に出れば世間は厳しいのだから、いまのうちに荒波にもまれておいたほうがいい」と思うかもしれませんが、子どもがまだ小さいうちから苦労をさせていると、成長をうながすというよりは、トラウマを与えてしまうことのほうが多いです。それでは子どもはむしろくじけやすくなります。失敗から学ばせることは、小さいうちはやらなくてよいのです。

「見て学ぶこと」が苦手な子もいる

 なかには「見て学ぶこと」が苦手な子もいます。大人が「自分で考えなさい」「まわりをよく見て」などと伝えるだけでは、適切なやり方をなかなか見出せない子もいるのです。そういう子を放っておくと、独特のやり方を繰り返して、あまり望ましくない形で習慣が定着してしまうこともあり得ます。

それよりも「保護的な環境」を用意しよう

 子どもが失敗を繰り返して困っていたら、「失敗から学ばせよう」と考えるよりも、適切な方法を具体的に教えましょう。そして保護的な環境を用意して、子どもが自分の課題に安心して取り組めるようにしてください。

 例えば、子どもが自分で持ち物を管理するのがまだ難しくて、忘れ物がなかなか減らないという場合には、その子にもできそうな方法を教えたうえで、大人が道具の準備などをある程度は手伝います。また、失敗しても注意しないようにします。

 保護的な環境で育っている子は、ちょっとしたことにも自信を持てるようになります。週に一日、忘れ物をしなかっただけでも、喜んだりするものです。まわりの人から見ると「どうしてそんな些細なことで満足しているの?」と思うかもしれませんが、それくらい小さな頑張りにも達成感を得られるということが、その子の次の活動への意欲につながっていきます。子どもの自信は、大人には「から元気」に見えるくらいのものでも構わないのです。

本田秀夫先生

児童精神科医 信州大学医学部 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授 付属病院子どものこころ診療部長 長野県発達障がい情報・支援センター長

発達障がいの早期発見、早期介入から成人期の支援まで、あらゆるライフステージにわたる臨床経験をもつ発達障がいの専門家。知的障害を伴わない自閉症が稀ならず存在することを世界で初めて実証した疫学調査は国際的にも強化を受けている。現在は、大学を拠点として児童青年精神科医の育成と臨床研究体制の整備に取り組んでいる。
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