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よく「おなかが痛い」と訴える息子。受診したほうがいいのでしょうか?

【掲載】

4歳の男の子です。よく「おなかが痛い」と訴えます(2日に1回ぐらいのペース)。横になってしばらく丸まっていると治まるようなので、今のところ様子を見ています。空腹、満腹には関係ないようですが、怒られた後で訴えてきたこともありました。それから、大きくゆっくり息を吸うと胸の辺りが痛いと言います。受診したほうがいいのでしょうか。どちらも続く痛みではないので、病院に行くタイミングが分かりません。

(松本市/案山子)

訴えが一時的で、便の頻度や性状が普段と変わりなく、翌日にはケロッとしていて食欲が良好なら、あまり心配はないように思われますが、普段のお子さんの便通や便の性状(硬さなど)はどんな様子でしょうか?

もし、普段から2~数日おきの排便だったり、硬い便をしていたりするようなお子さんが、食事の前後で腹痛を訴えている場合には、便秘による機能性の腹痛の可能性があります。下腹部に硬い宿便が溜たまり、その手前の腸管がガスで膨らんでいて、食事などの刺激で起こった蠕ぜんどう動(腸の中のものを肛門に送り出そうとする動き)によってその部分が収縮するときに、強い腹痛を感じることがあります。

このような場合には、便を軟らかくするような食事を工夫したり、偏食があればそれを改善したりすることで治る場合があります。診察を受けて下腹部にたくさん便が溜まっている場合には、浣腸でその便を取り除くことで腹痛が起きなくなることもあります。この際にも処置後に右記のような食事管理が必要となります。便の回数や性状に変化がある場合や、便秘気味のお子さんである場合には、一度かかりつけの先生の診察を受けて、ご相談されることをお薦めします。

胸の痛みについては、訴えがあったときの顔色や息遣いなどをみて、あまり変化がなければ心配ないことが多いので、その場合には深呼吸をしないことで痛みを防ぐという方法をとられてはいかがでしょうか。もちろん、訴えが頻回になってくるようでしたら、一度診察を受けられることをお薦めします。

ところで、お子さんは現在、保育園・幼稚園に通っていらっしゃいますか? 新学期が近付く3月や新生活が始まった4月には、たとえ3、4歳の幼児であっても、彼等なりに環境の変化を乗り切る覚悟が必要で、不安や期待などさまざまな思いが押し寄せてくるようです。下のお子さんの出生の前
後でも同じようなことが起こる場合があります。

実際この時期には、身体的には異常を認めないのにもかかわらず、トイレが近くなったり軽度の頭痛、腹痛などの症状を訴えたりする小さいお子さんが、当クリニックにも時々受診されます。新しい環境に馴な染じんでいくためには、週末はお家でゆっくり休養をとり、1週間がんばったことを労ってもらって、「僕は(私は)がんばった!」という自信をつけてから次の週に臨んでいくことがエネルギー源になると私は思っています。

おとなも子どもも、春は何かと大変なんですよね。