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アデノウイルス感染症って、夏にはやるものなのでは?

【2018年1月号掲載】

年長の子どもが熱を出して小児科を受診したのですが、アデノウイルスに感染していると言われ、インフルエンザかなと思っていた私は、ちょっとビックリ。アデノウイルスと言えば「夏風邪」というイメージがあるのですが、この時期に、この地域でも、はやっていると伺って意外に感じました。冬にはやる、この病気のことを教えてほしいです(余談ですが、熱が下がってからもさらに2日間は園を休ませなくてはならず、仕事に行けず困っています…)。

松本市/まる

アデノウイルスは冬~春と初夏に流行がみられますが、一年を通して存在するウイルスです。のどや結膜からウイルス体に侵入することで感染し、患者の唾などの飛沫や便などが感染源になります。夏に流行するアデノウイルス感染症は別名「プール熱」と呼ばれていますが、これは患者の結膜から放出されたウイルスがプールの水を介して他の人の結膜に感染することがあるためで、それが夏にはやる理由になっています。でも風邪と同じように唾や鼻水からもうつるので、プールに入らなくても感染します。

アデノウイルスには50以上の種類があり、その種類によって、38~40℃の高熱が4、5日続いて、のどや結膜が赤くなるなどの症状を引き起こすもの(咽頭結膜熱)や、腹痛や下痢のように胃腸炎症状を引き起こすものもあり(アデノウイルス性腸炎)、稀にですが、脳炎や肺炎などの合併症もあります。

アデノウイルス感染症は、感染症の蔓延を防ぐために作られた学校保健安全法で、「主要症状が消失した後2日を経過するまで」出席を停止することになっています。幼稚園や保育園もそれに準じているため、お子さんのように熱が下がって2日間はお休みしなければなりません。

予防方法は手洗いとうがい、そして感染者との接触を避けることです。