WEBクリニック

家庭でできる傷の応急処置について教えてください

【2019年5月号掲載】

2歳半のやんちゃな息子がいます。これから暖かくなって、外遊びの季節になりますが、結構擦り傷、切り傷が絶えない子なので、家庭でできる応急処置についてお聞きしておきたいです。ちょっとした血の出るケガの場合、水洗いしてそのままにしておくのがいいのか、消毒薬を使うべきなのか(どういう消毒薬がいいのか)、また、どうだったら絆創膏や包帯をしておいた方がいいのかなど、お聞きできますか? 匿住所/パパイヤ

自家用の「救急箱」を作ってみましょう。まず、ドラッグストアで

・創傷被覆材(傷口を乾燥させずに清潔に保って治癒を促す保護剤)

・紙絆創膏(1〜2㎝幅のもの)

・滅菌ガーゼ(個包装のものが10〜20袋入っている)

・包帯(幅の狭いものと広いもの1本ずつ)

・ハサミ

・ピンセット

・小瓶の消毒液

などを買いましょう。それから100円均一ショップなどで、それらが収納できるようなクリアボックスを買ってきて、そこに入れて完成です。持ち手付きのボックスにすれば、ドライブやキャンプなどにも持って行きやすいと思います。

屋外やプールなど、お家の外で擦り傷や切り傷を負ったときには、なるべく早く水道の流水で傷口についた土やごみ、プールの水等の汚れを洗い流して清潔にすることがとても大切です。きれいにした傷口が再び汚染しないように、その場にあるできるだけ清潔なもの(汚れていないタオルやハンカチ)で保護してお家に帰ります。

お家に着いたら、もう一度傷口をきれいな流水で洗って、清潔なタオルで水を拭き取り、消毒液をかけて消毒した後、滅菌ガーゼで拭き取って、よく乾かしてから創傷被覆材をあてます。濡れたままの状態ではしっかり貼れず、使えなくなってしまうので注意してください。手足のように動きの激しい部位では、被覆材が剥がれないように上から絆創膏で固定するか包帯を巻いておきましょう。

大切なことは創傷被覆材を貼る前に、傷口が汚染しないようにすることです。空気中には落下菌といってたくさんの菌が漂っていますし、人の手や指にも菌がついています。皮膚がしっかりしていればこれらの菌が付着しても何も起こりませんが、傷口のように皮膚のバリアが壊れている所に付着すると、感染してジクジクした炎症を起こして傷が治りにくくなり、とびひの原因になることもあります。傷を直接手で触ったり、露出したままにしておいたりしないようにしましょう。