取ってもらった水イボが再発してしまいました…
【2022年8月号掲載】
小学生の子にできた水イボが、10ヵ月の息子にもうつりました。上の子は受診して数ヵ月で自然に消えると言われましたが半年たっても消えず、病院を代えて取ってもらいましたが、また再発しました。下の子も1年くらいで自然に消えると言われましたが、これから水遊びも楽しくなる時期にこのままで大丈夫でしょうか?松本市/匿名
水イボは伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染して、皮膚に硬い光沢のあるドーム型の皮疹を作る感染症で、皮膚のバリア機能の未熟な7歳未満の乳幼児に多くみられます。
水イボを治す塗り薬はなく、治療は先の丸い専用のピンセットで摘み取ったり(摘除)、液体窒素をつけて処理したりする処置なので、痛みを伴います。
ウイルスは皮疹の中にとどまり、体の中へ移動することはなく、皮疹自体には痛みやみはほとんどありませんが、き壊した手で他の部位に触れると、そこにウイルスが付着して皮疹を作るのでイボが増えていきます。乳児ではイボが大きくなることもありますが、搔き壊さないようにしておくと自然に消えていきます。ただ、消えるまでの期間は半年〜3年ともいわれていて、個人差が大きいです。治療する(=取る)メリットとしては、見た目(イボがなくなる)と、他の子にうつさなくなることぐらいです。
かつては小児科医も水イボの摘除を行っていましたが、摘除するメリットよりも摘除時の痛みが子どもに与えるストレスの方がはるかに大きいため、現在では行っていません。まだ数個のうちに皮膚科で摘除してもらえればいいかもしれませんが、その時点で既に掻き壊していると、しばらくしてまた新しいイボができてきます。
感染経路はタオルやビート板などを介したり、直接肌が触れ合ったりすることなどが挙げられますが、一緒にプールに入るぐらいではうつりにくいので、松本市の保育園や幼稚園ではイボの部分を保護すればプールに入れるようになっています。自治体によっては水イボを全部取らないと園でのプール禁止という所もまだあるようです。