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「たんこぶができたから安心」って信じて大丈夫?

【2024年6月号掲載】

たんこぶができたから安心、とは言えないという話を聞き、今後どんな基準で診察してもらったらいいのか迷います。匿住所/匿名

頭をぶつけたときのご相談でしょうか?

「たんこぶ」というのは、頭をぶつけたときに、頭皮やその下の血管や組織がダメージを受けて出血したり炎症を起こしたりすることでできるものです。

頭皮に「たんこぶ」ができるほどの衝撃を受けた場合、頭蓋骨の内側にどれくらいのダメージがあるかは外見では判断できません。したがって、昔からで言われている「たんこぶができたから大丈夫」とか、「外側にれたから大丈夫」といったようなことは根拠がないものとお考えください。

もし、転んだり、落ちたり、お友達とぶつかったりして明らかに頭を打ったと判断できるときは、まず打撲したところを冷たいタオル等で冷やしましょう。可能なら5〜10分間ほど大人がタオルで抑えて冷やしてあげましょう。

それから、ぶつけてから1時間くらいは静かなところで安静にして、飲食させずに大人がそばで様子を観察してください。ぶつかったときの衝撃の強さにもよりますが、目に見えた外傷が頭になくても頭蓋骨の中で脳が揺さぶられてを起こしていることがあり、その場合はぶつけてから1時間ほどの間にしたり急に元気がなくなったりしてきます。

脳震盪なら後遺症や重症化は起こりにくいですが、嘔吐や活気の低下、うとうとするなどの症状は脳震盪以外の脳の損傷でも起こってきますので、もしそのような症状が現れたら、CTやMRIなど頭の中の画像検査が可能な医療機関で、異常がないか確認してもらう必要があります。

ぶつけた状況を見た大人がいない場合は特に気を付けていただいて、転落や転倒の場合には頭以外にをしていないか全身をチェックすることも大切です。ごくまれにですが、頭蓋骨と脳の間にゆっくり出血して徐々に脳を圧迫して症状が出てくる場合もあります。ぶつけてから24時間は、注意深くお子さんの様子を見てあげましょう。